映像に映された狂気が「拡散」する | POVオムニバスホラー『V/H/S ファイナル・インパクト』

2018年11月27日

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作品情報

原題:V/H/S Viral

監督:マルセル・サーミエント

出演:パトリック・ローリー, エミリア・ゾーヤン, ジャスティン・ウェルボーン

公開年:2014年

あらすじ

ハイスピードで逃走中のアイスクリーム・バンを、数台のパトカーが追っている。空にはヘリコプターも動員され、なにやらただならぬ事態の発生だ。野次馬っ気を出しスマホ片手に、その事態をレポートしに外に飛び出した青年:ケビンは、残念ながら一足遅くパトカーを見失ってしまう。が、そうこうしているうちに、家の中でスマホの画面を見ていたケビンの彼女:アイリスが、突如鼻血を流しおかしくなってしまう。しかし、それは彼女の身にだけ起こったわけでなく、スマホを眺めていた周辺の住民達も次々鼻からも血を流し始め・・・・。

予告動画

人気オムニバスPOVホラー第3弾

『V/H/S シンドローム』『V/H/S ネクストレベル』に続く『V/H/S』シリーズの第3弾にしてラストの作品、『V/H/S ファイナル・インパクト』

過去のシリーズではVHSを見た人が徐々におかしくなっていく様が描かれていましたが、本作ではそれが一つの町の全ての人をおかしくする一種の殺戮兵器へと変貌しています。

スマホを皆が手にするようになり、誰もがネット上に映像をアップロードすることが出来るようになってきた時代の流れを感じさせる内容にもなっています。

過去作の感想は以下をご覧下さい。

1. Vicious Circles

Vicious_Circles

YOU TUBER気取りの青年の目線を通して、謎のウィルスがある街に蔓延していく恐怖を描く。

本作のメインとなる物語。今までの作品は主人公達がとある家に忍び込み、そこに置いてあるVHSを見ることによって各ストーリーが始まることになるのですが、本作は今までと全く異なり、VHSが登場しません。よって、各ストーリーも唐突に始まることになります。

本作は「映像の拡散」というのがテーマにあるため、自ら望んで映像を見るわけではなく、勝手に映像を見させられることになるという新たな流れになっているのだと思います。

ただ、あくまでも「V/H/S」というシリーズの続編として見ているので、この演出に対して不満がないかと言えば嘘になります。もう少しVHSを絡ませてくれたらよかったのに。

 

さて、謎のウィルスというか、暴走車から発せられる「怪電波」の影響で町がおかしくなっていく様子を描いている本ストーリー。主人公を始めとして、なんとか映像を撮って有名になろうとする人々が次々に死んでいく様は皮肉が込められていて良いです。自らが撮った映像が有名になるのではなく、「自ら」が有名になる滑稽な様。

果たして謎の暴走車の正体は一体なんだったのか。なぜ怪電波を発信することになったのか。

2. Dante The Great

Dante_the_great

強大なパワーを持った無敵マジシャンが、FBI相手に壮絶なバトルを挑む。

謎のマントの力で強力なパワーを持ったマジシャンの話。ただただ力を授けてくれるわけではなく、実はマントはあるものを欲していて・・・。

FBI相手に壮絶なバトルを挑むっていうストーリー、もうホラーじゃないですよね。はい。ホラーチックにしてはいますが、この話、ホラーじゃないです。

強いて言えばラストシーンだけはホラーですが、後は微妙なワイヤーアクションによる戦いを見せられる謎の話となっています。

最後の方は裏方さんが撮影している映像なんだと思うのですが、どう考えてもカメラワークがおかしく、POVで無くなってしまっています。せめて、マントの力で映像を撮っているとかこじつけでもいいからカメラ割りの理由を付けて欲しかった。残念。

3. Parallel Monsters

parallel_monsters

今の世界と平行関係にある、別の世界に通じるドアを作り出した男の身に起こる恐怖を描く。

ホラーではなくSF作品。パラレルワールドに通じる扉を完成させた男の話。家の地下の微妙な施設でパラレルワールドの扉を作っちゃったよ。

開いた扉の先には、左右が逆転した家と、もう一人の自分が居て実験に成功したと思った主人公。それぞれの世界を見て回りたいということで15分自由時間を設けて家の中を探索し始めたところ、まったく同じだと思われていた二つの世界は、実はまったく違っていたことが判明。

片や我々が住む普通の世界。片やチ○コがエイリアン人々が暮らす謎の世界。まぁパラレルワールドだからちょっと違って当たり前。エイリアンはしかしどうなんだ。

まったく別の世界で生きる主人公の二人が、最後だけは同じ結末を迎えることになるのは面白い。

4. Bonestorm

bonestorm

クールな映像を撮る為、メキシコにやって来たスケボー少年達は、髑髏軍団と戦うことになる。

今作のグロ担当。惜しむべきは、前作で似たような話をやっちゃってることでしょうか。宗教っぽい感じで、謎の生物を解き放とうとしているという。

スケボーの演技を撮影していたら不気味な集団にいつの間にか取り囲まれていた少年たち。目の前に現れた女性に話かけても反応せず、「なんじゃこいつ?」と様子を伺っていたらいきなり腕をもぎ取られるのは驚き。驚きというか、唐突すぎてちょっと面白い。いったいどうやって腕もぎ取られたのか。

最終的に謎の生物は解き放たれてしまったようだけれど、前作の「SAFE HAVEN」のようにインパクトを残す終わり方もしていないので結局なんだったのかわからずじまい。もう少し見せ場があってもよかったのではなかろうか。

評価

★☆☆☆☆:1点

前作までと比較すると、ストーリーの数も少ないしVHSがほぼほぼ関係ないしで、ちょっと期待はずれで残念。

ちなみに、メニュー画面を見てると「あれ?違うDVD借りて来ちゃったかな?」と思ってしまうので注意しよう。なんならメニュー画面の違和感が一番面白い。