謎の死体の前に置かれたVHSが映しだす恐怖の世界 | POVオムニバスホラー『V/H/S シンドローム』

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※ネタバレ有りの感想なのでご注意下さい

作品情報

原題:V/H/S

監督:アダム・ウィンガード, デヴィッド・ブルックナー, タイ・ウェスト, グレン・マクエイド, ジョー・スワンバーグ

出演:カルヴィン・リーダー, レイン・ヒューズ, ケンタッカー・オードリー

公開年:2013年

あらすじ

日々、盗撮などで小銭を稼いでいるゲイリー、ザック、ロックス、ブラッド、4人の不良グループに、謎の人物からギャラのいい仕事が舞い込む。それは、1本のビデオテープを盗むという奇妙な依頼だった。彼らが家に忍び込むと、そこには大量のVHSテープと共に、一体の死体があった。戸惑いながらも大金目当ての4人は目的のビデオテープを探すため手分けして1本1本再生していくのだが、そこに映っていたのは…。

予告

TAPE 56

本作のメインとなる話で、あらすじに載っている4人のバカが老人が住む家に忍びこんでVHSを盗むというのはこの話。

VHSを探す4人の前に現れたのは椅子に座る老人の死体と複数のテレビ、そしてVHS。

盗むべきVHSを確認するにつれ、徐々に家の中はおかしことになり・・・。

要するに、世にも奇妙な物語で言うところのタモリさんパートだと思ってくれて結構です。

4人が確認するVHSというのが、我々も見ることになる恐怖映像。

なんだかんだで本作の中で一番怖いのはこのパートだと思います。オムニバスで繰り広げられる各物語は怖いというより意味がわからない不思議なものばかり。

何故かバカ4人はVHSを確認する前に自分が映るようにビデオカメラを床に置くのだけれど、VHSが止まった瞬間にそのビデオカメラが映しだす映像がとにかく怖い。

最終的に4人はどうなるのか。テレビの前に座っていた死体は一体なんだったのか。

 

惜しむべきは、この話で本作が終わらないというところでしょうか。

この話の結末を迎えた後に最後の物語がスタートするのですが、無くてもよかった、もしくはそれが終わったあとに結末を迎えてくれた方が面白かったのに。

最後の物語がこの謎の家の核心を突く、とかそういう話でもないので、個人的にはなんでこういう構成にしたんだろうという気持ちです。

AMATEUR NIGHT

冴えないボーイのメガネに小型のカメラを仕込んで、ナンパした女の子とのセックスシーンを録画しちゃおう!

というおバカ男子3人の物語。もちろん映像は冴えないボーイ目線。

クラブでナンパをしていると、「好きよ」とつぶやいてくる不気味な女性と出会います。いやほんと不気味なんですよ。目がパッチリとしてて、ちょっとイッちゃってるような瞳。

メイクとかでなく単純に女優さん本来の顔だったらごめんなさい。

部屋に連れ帰って楽しくセックスするはずが、その女の子がちょっとだけ嫌がるプレイをしてしまいそうに。と、突然男達を襲いだす女。

冴えてるボーイの二人はあっさりと女の餌食になって殺されてしまいます。

この時男Aの男性器がもぎ取られて投げ捨てられるのですが、日本特有のモザイクのせいで滑稽な感じに。

男の股間からモザイクがもぎ取られ、ポイッとモザイクが投げられるのは非常に面白い。

友人が目の前で化け物に殺されたらそりゃ逃げ出すのですが、逃げ出す冴えないボーイを前に失恋してしまった化け物女は泣き出す始末。

化け物とはいえ、女性の姿をして目の前で悲しそうに泣かれてしまうとちょっとかわいそうな気持ちになります。

さぁ、冴えないボーイと化け物女はどのような結末を迎えるのか。

SECOND HONEYMOON

旅行している男女の旅の日記、最近で言うところのVLOGというものを映した物語。

正直この話はホラーとかそういう類ではなく、ただのスリラーです。

仲が良い二人が宿泊しているモーテル?に突然訪れる謎の女性。ヒッチハイクが目的だと思われるこの女性は果たして何者なのか。

普段明るい彼がちょっともごもごと話をするようになった気がするので、てっきり元カノでも現れたのかと思っていたのですが実はそうではなく。

そして、何故か二人が寝静まった後に撮られる映像。どうやって二人の部屋に侵入したのか。

「そっちかーい!」という謎で驚愕のラスト、お楽しみください。

改めて言いますがホラーではないので、あまり怖がらずにどうぞ。

TUESDAY THE 17th

B級ホラーといえばおなじみの湖へ遊びに行く男女4人の物語。

本当にこんなところが目的地なのかい、というあまり綺麗でない森の中。徐々に乱れてあり得ないものが映り込むカメラ。「みんなここで死ぬ」という不気味な言葉を口にする女の子。

そして突然の死。

実は過去にここでは殺人事件が起きており、その生き残りである女の子が殺人鬼に復讐するために再び戻ってきた、というのが本当の旅の目的。

一緒に連れてきた他の3人は、そいつをおびき寄せる為のただの餌。

さて、殺人を犯したのがただの異常な人間かというともちろんそんなことはなく、それは正体がわからない謎の人影。

恐らくカメラにしか映らない、光学迷彩のような影がゆっくりと背後から忍び寄り、次々とみんなを殺していきます。

姿が見えないのに、殺し方が刃物で切り殺すっていうのが面白い。ものすごい単純な物理攻撃で襲ってくるそのギャップ。

怖い、というよりは痛い分類の物語。果たして無事復讐を果たすことは出来るのか。

THE SICK THING THAT HAPPENED TO EMILY WHEN SHE WAS YOUNGER

タイトルが長い。

Google先生に翻訳してもらったところ、「彼女が亡くなった時にエミリーに起こったこと」というタイトルとのこと。正直よくわからん。

構成は、以前紹介した『アンフレンデッド』や、最近公開して話題を呼んでいる『SEARCH/サーチ』のような、PC画面のみで話が進む物語。

家の中でポルターガイスト現象が起こるというエミリー。ビデオチャット越しに彼と話をしていると、突然部屋を走り回る子供の姿が。

夜な夜な起こる怪奇現象とは別に、謎の腕の腫れを気にするエミリー。

と、突然、あまりの腫れの気になり具合に、腕を抉り出すエミリー。急に痛いシーン出すのやめてください痛いです。

子供を見るのが怖いから自分は目を瞑っているので、カメラ越しに部屋の様子を見て欲しいというお願いで各部屋を周りだすのですが、突然映る3人の子供。増えている。そして子供の顔が地味に怖い!

怖さと痛さがちょうど良い具合に含まれる物語。

果たして子供は何者なのか。腕の腫れは一体なんなのか。

そこら辺が解明されることは期待せずにお楽しみください。

10/31/98

タイトルからわかるように、ハロウィンのお話。そして、V/H/Sシンドローム最後の物語。

ハロウィンパーティーが開催される家に遊びに行く男4人の物語。

辿り着いた家は、パーティーのかけらもないほど静か。どうしたものかと家の中を探索していたら、謎の儀式を行っている集団を発見。

ようやくパーティーの出し物に巡り合えたと思った男達は、そこにいたおっさん達と同じように謎の言葉を繰り返すのだが・・・。

はい、出し物とかじゃなく本当に儀式していました。

ホラーという意味では圧倒的に1番ホラーをしています。怖いかというと、怖くはないのですが。

ドアの取っ手がなくなったり、窓が急に無くなったり。物が飛んだり壁から腕が生えてきたりと、およそどこかのアトラクションなんじゃないかと思えるような演出は、怖いというかPOVという作りでの編集が大変だったんだろうなという、謎のスタッフへの労いの気持ちが溢れて来ます。編集では一番力入ってると思います。

 

最初にも書きましたが、この物語の終わりと共にスタッフロールが流れます。

全体的に怖いというより「意味がわからない」映像で構成されている本作が、この物語で終わるというのもある意味「意味がわからない」終わり方なのでおかしくはないのかもしれませんが、個人的にはもうひとひねり欲しいなと思ってしまってちょっとがっかりです。

評価

★★☆☆☆:2点

意味不明な物語で構成された不気味なホラー。ちょっと物足りなさがあったのが少し残念。

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たっか!!